第51回AFフォーラム「立ち上がれ愛に満ち溢れる構造設計者たち ー能登半島地震と木造住宅の甚大な被害ー(その2)」

日時:2024年04月24日(水) 18時~20時
コーディネータ:金田勝徳
パネリスト:五十田博(京都大学教授)、神本豊秋(再生建築研究所代表)、竹内徹(東京工業大学教授、日本建築学会会長)

お申込み(リンク先にて会場参加orZoom参加を選択してください。):https://ws.formzu.net/fgen/S72982294/

Youtube:https://youtu.be/Xp1r3fNelqA
能登半島地震発生を報道するテレビ画面で見た現地の被災状況は、爆撃によって破壊しつくされた街並みと見間違えるような光景でした。そして地震発生時から2カ月半が経とうとしている現時点でも、倒壊した家屋の撤去さえ進まずに被災当時のまま残っています。そこには間違いなく倒壊建物の下敷きになった被災者がいて、その人からの「助けて」という叫び声を背中に、その場から避難しなければならなかった人たちがいたはずです。
大地震のたびに同じような悲劇が繰り返されていながら、社会は構造物の安全を担っているはずの構造設計者に目を向けようとしません。構造設計者は何をしているのかという声も聞こえず、構造設計者もただ沈黙を守るばかりです。知る限りでは「耐震計算偽装事件」で初めて一般社会に注目された構造設計者ですが、それから20年近く経った今、再び構造設計者の存在そのものが忘れ去られているとしか思えません。
こうしたことことを背景に、今年の2月29日に第50回AF-フォーラム「立ち上がれ愛に満ち溢れる構造設計者たち ー能登半島地震と木造住宅の甚大な被害ー」が行われました。その冒頭で当日のコーディネーター和田章先生は、「構造設計者が社会から認められないのは、何があっても責任を取らないし、何も言わないからだ」と指摘しています。
当日のパネリストから「木造建築の耐震性向上は必須(高橋治先生)」、「被災した自宅を残したいと思いながらも、先が見えない被災者への構造設計者からのアドバイスが重要(北茂紀先生)」、「災害は社会問題を顕在化する。政府を頼りにするより(きめ細かい対応が可能な)自治体がそれに代わるべき(布野修司先生)」などの見解が述べられました。そして会場の参加者からは「こうした現状を変える動きを始めるべき(宇野求氏)」との厳しい指摘もありました。最後に斎藤公男先生より、「立ち上がれ」は当然だけれど「立ち上がり方」が問題であり「建築界をどのような方向にもっていくか」の方針が大切との言葉で締めくくられました。
これ等の貴重な意見を頂き、次回第51回AF-フォーラムでは「立ち上がれ愛に満ち溢れる構造設計者たち ー能登半島地震と木造住宅の甚大な被害ー(その2)」を企画しました。前回に引き続き白熱した議論の展開を期待しております。たくさんの皆様のご参加をお待ちしております。