建築とジャーナリズム研究会

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幹事:斎藤公男、和田章、神子久忠、布野修司、磯達雄、今村創平、青井哲人

第3回AJ研究会 建築メディアと一般メディアー建築界の「界」を問う


日時:2022年11月26日(土) 14:00-16:00
会場:オンライン(Zoom)
参加申し込み:https://ws.formzu.net/dist/S49503985/

コーディネーター:布野修司

AJ研究会の設立趣旨に「建築の評価をめぐっては、一般ジャーナリズムと建築ジャーナリズムの間に大きなギャップがある。そして、それぞれが大きな分裂をそのうちに含んでいる。一般ジャーナリズムにおける建築の評価は大きく二分されている。一方で、建築・建築家は、芸術・芸術家として扱われ、美術、文学、映画、演劇、などと同様「文化」として「文化欄」で扱われるが、他方、「政治」「経済」「社会」「家庭」「教育」欄では、建築家は建築業者であって、その個人名が記されることは(悪いことをしない限り)ない。建築家・建築作品と業者・建造物が暗黙のうちに区別されている。」とあります。今回は、建築やデザインなどの専門分野と一般の人々とをつなぐための建築コミュニケーターとしてメディアやプロジェクトづくりを行う「グランドレベル」の田中元子+大西正紀両氏、また、この間、建築を一般に開く出版をプロデュースしてきた真壁智治氏を招いて、議論したいと思います。(布野)

「マイパブリックとグランドレベルをめぐって」田中元子+大西正紀(グランドレベル、mosaki)

田中元子:茨城県生まれ。独学で建築を学び、2004年、大西正紀と共に、クリエイティブ・ユニットmosakiを共同設立。建築やまち、都市などの専門分野と一般の人々ととをつなぐことを探求し、建築コミュニケーター・ライターとして、主にメディアやプロジェクトづくり、イベントのコーディネートやキュレーションなどを行ってきた。
大西正紀:大阪府生まれ。少年期を台湾台北と千葉で過ごす。2001年、日本大学理工学部建築学科卒業。2003年、日本大学大学院理工学研究科建築学専攻修士課程前期修了(高宮眞介研究室所属)。修士設計にて駿建賞受賞。渡英。2003〜2004年、設計事務所 Ushida Findlay Architects UKに勤務。帰国後、田中元子と共に、クリエイティブ・ユニットmosakiを共同設立。編集者・建築家・クリエイティブディレクターとして、主にメディアやプロジェクトづくり、イベントのコーディネートやキュレーションなどを行ってきた。

「建築界を拓くー出版界と建築界」真壁智治(プロジェクト・プランナー、M.T.VISIONS 主宰)

真壁智治:1943年生まれ。プロジェクトプランナー。武蔵野美術大学造形学部建築学科卒業。東京藝術大学大学院美術研究科建築専攻修了。同大学助手を経てプロジェクトプランニングオフィス「M.T.VISIONS」主宰。<建てない建築家>を標榜し、広汎な知己力と旺盛な構想力を駆使して、戦略的視点に立つ都市・建築・住宅分野のプロジェクトに取り組んできた。2000年より、都市・建築を「伝える」、「論じる」、「表す」、「現す」ことに専心。時代の大きな変動に向き合い、<建てない建築家>の真骨頂を発揮していく。家を伝える本シリーズ「くうねるところにすむところ」で第2回芦原義信賞を受賞(2006年)。近年、カワイイデザイン研究に力を注ぐ。主な著書に、『アーバン・フロッタージュ』(住まいの図書館出版)、『感応』(用美社)、『感性工作者の日常発想』(三省堂書店)、『家のワークショップ』(ワールドフォトプレス)、『これからのくらしとあかり』(エクスナレッジ)、『カワイイパラダイムデザイン研究』(平凡社)、『ザ・カワイイヴィジョンab』(鹿島出版会)などがある。


第2回AJ研
建築メディアの新たな潮流

日時:2022年6月4日(土) 14:00-16:00
会場:オンライン(Zoom)

コーディネーター:磯達雄(建築ジャーナリスト Office Bunga)
パネリスト:
加藤純(TECTURE MAG 編集長)
1974年生まれ。東京理科大学工学部第一部建築学科卒業、同工学研究科建築学専攻修士課程修了。月刊「建築知識」編集部を経て、2004年よりフリーランスで雑誌や書籍、WEBの企画・編集・執筆を行う。
富井雄太郎(株式会社ミルグラフ代表取締役)
1979年東京都生まれ。2002年早稲田大学理工学部建築学科卒業。新建築社を経て、2010年株式会社ミルグラフ設立。2012~15年東京藝術大学美術学部建築科教育研究助手。
コメンテーター:今村創平(千葉工業大学教授)、青井哲人(明治大学教授)(仮)


紙媒体の建築専門誌が次々と休刊となっていく一方で、WEBやSNSによる建築メディアが多数の購読者を得ている。こうした建築情報サイトは世界規模で広まっており、グローバルな建築情報の流通構造が、この10数年の間に大きく様変わりしたと言える。もう一つの注目すべき動きとして、建築書の出版形態がある。以前は建築分野を得意とする専門出版社がこれを担っていたが、出版点数と発行部数の両方を大きく減らしており、なかには出版活動自体を停止したところもある。そうしたなかで、「出版社が出せないなら自分で出してしまおう」と、自らが版元となって建築書を発行する人たちが続々と現れるようになった。今回は、次世代型空間デザインメディア『TECTURE MAG』の編集長を務める加藤純さんと、建築系出版社を退社後に株式会社ミルグラフを立ち上げ多数の建築書を自ら企画し出版している富井雄太郎さんを招いて、現在進行形の建築メディアの変化について明らかにしていく。(磯)


第1回AJ研
基調報告「建築ジャーナリズムの来し方行く末」(神子久忠)と意見交換
日時:2021年7月3日 14:00-16:00
会場:オンライン(Zoom)

コーディネーター:布野修司
コメンテーター:斎藤公男、和田章、磯達雄、今村創平

  神子久忠略歴資料
1941年生れ/1967年 日本大学理工学部建築学科卒業/1967年新建築社/1970年相模書房(~1984?)/198?年 日刊建設通信新聞社/2009年神子編集室設立
・編集作品:小能林宏城『建築について』1972年・長谷川堯『神殿か獄舎か』1972年・長谷川堯『建築雌の視角』1973年・佐々木宏『20世紀の建築家たちⅠ・Ⅱ』1973年・上松佑二『世界観としての建築―ルドルフ・シュタイナー論』1974年・西沢文隆『コート・ハウス論―その親密なる空間』1974年・長谷川堯『都市廻廊』1975年・西沢文隆『庭園論Ⅰ―人と庭と建築の間』1975年・宮内康『風景を撃て―大学一九七〇-七五』1976年・ルドルフ・シュタイナー著、上松佑二訳『新しい建築様式への道』1977年・向井覚『建築家・岩元禄』1977年・中村順平『建築という芸術 下』1978年・丹下敏明『スペイン建築史』1980年・ウィッチャーリー著、小林文次訳『古代ギリシャの都市構成』1980年・佐々木宏『ル・コルビュジエ断章』1981年・布野修司『戦後建築論ノート』1981年・向井覚『建築家吉田鉄郎とその周辺』1981年・吉阪隆正『乾燥なめくじ―生ひ立ちの記』1982年・横山不学『遥かなる身と心との遍歴―紀行と随想』1982年・建築綜合研究所編『建築家山口文象―人と作品』1982年・武基雄『市民としての建築家』1983年・小野木重勝『明治洋風宮廷建築』1983年・横山正『透視画法の眼―ルネサンス・イタリアと日本の空間』1985年など。